省エネ住宅とは―あなたの家は大丈夫?2020年から必須の新築基準
投稿日:2018年10月24日
省エネ住宅とは―あなたの家は大丈夫?2020年から必須の新築基準
省エネ住宅に必要な要素
従来の基準は、建物の外皮(壁や窓など、冷暖房する空間と外気を仕切るもの)の熱性能だけで評価するものでした。一方、新基準では、「外皮の熱性能」に加えて、「一次エネルギー消費量」も評価基準に加えられました。
「一次エネルギー」とは、石油などの化石燃料や原子力、水力、太陽光など、自然から得られるエネルギーのことです。一方、電気や灯油、都市ガス等は、一次エネルギーを加工して作られているので「二次エネルギー」と言います。
「一次エネルギー消費量」とは、冷暖房や換気、照明、給湯等で使われる二次エネルギーの合計を、一次エネルギーに変換したものです。「一次エネルギー消費量」が少ないほど、「省エネ住宅」ということになります。
一次エネルギーを減らすために、高気密高断熱にすることによって、冷暖房した空気が部屋の外に漏れないようにしたり、「エコキュート」のような省エネルギータイプの給湯設備にしたりするなどの工夫が必要です。
また、エネルギーの消費量を減らすことに加えて、太陽光発電ができる設備を屋根の上に設置して、エネルギーを「創り出す」ことによって、エネルギー削減量として差し引くこともできます。
家の外観や内観のリフォームは簡単にできますが、高気密高断熱といった基本性能はリフォームでは簡単に性能向上できません。つまり、これから建てる家は、省エネ住宅の基準に合っているかを、設計時から考慮しておく必要があるのです。
基準に適合しない住宅は今後どうなるか
2020年から、すべての新築住宅が新基準への適合を義務付けられるということは、言い方を変えれば、2020年までは旧基準で建てることができます。建築会社によっては、旧基準で建てる会社もあるかもしれません。
しかし、車を下取りに出す際、モデルチェンジする前と後だと車両価格が下がってしまうように、新基準に適合している住宅としていない住宅では、市場価値に差が出てくる恐れがあります。
「それでもいい」というのであれば問題ありませんが、これから家を新築される場合は、新基準に適合しているかいないかを建築会社に確認しましょう。
後で後悔しないためにも、丸山工務店では新基準に適合した住宅をオススメしています。
省エネ住宅を建てるときのポイント
省エネ住宅を建てるとき、ぜひ、頭の片隅に置いておいていただきたい重要なポイントがあります。それは、「家の基本性能」です(これを、専門用語では「躯体(くたい)性能」と言います)。
なぜなら、家の基本性能がよくなければ、本当の意味での「省エネ住宅」にならないからです。
たとえば、高気密高断熱の性能が高くない住宅の場合、室内の空気が外に漏れてしまうために、一定の室内温度を保つためには冷暖房(つまり、エネルギー消費)が必要です。しかし、このような住宅でも、大きな太陽光発電の設備をつけて、たくさんのエネルギーを創れば、トータルでは、エネルギー消費量を少なく見せることができます。しかし、これでは効率が悪く、無駄な太陽光発電の設備費が掛かってしまいます。
もし、家の基本性能(高気密高断熱)が高ければ、必要最小限の太陽光発電設備があればよく、それだけ、建築費用を抑えることができます。
つまり、省エネ住宅を建てるときには、「家の基本性能」が重要なのです。
国が進める省エネ住宅と未来
ここまでは、2013年改正省エネ基準についてのお話をしてきましたが、参考までに、さらなる省エネルギー化に向けて、次のような住宅への移行が国レベルで進められています。
認定低炭素住宅
建物の断熱性に加えて、「高効率設備」と「創エネ(太陽光など、エネルギーを創り出す)設備」を備え、2013年改正省エネ基準よりもエネルギー消費量を抑えた住宅。