外壁塗装の悪徳業者を見分けるチェックポイント(後編)
投稿日:2019年10月23日
ポイント2.『訪問販売の殆どは相場からかけ離れている』
悪徳業者で最も使われる手法。それが訪問販売である。
訪問販売は相見積もりする隙や、考える時間を与えさせないためには有効な手段なため、お客様を脅し、
「今すぐ契約しないと家が大変なことになる!」
「今契約すると半額になる」
などと、簡単な口実にのせられ、ついつい契約してしまうのである。
この記事を見ているという事は、あなたも見覚えがあるのではないだろうか。万が一、同じようなことが今発生しているのであれば、一旦心を落ち着かせ、よく考えなおしていただきたい。
では、その業者が本当に悪徳業者なのか、判断するために、よくある悪徳業者の手法を紹介しよう。次の何れかに当てはまる場合、ほぼ確実に悪徳業者であると言っても過言ではないだろう。
ポイント3.『悪徳業者が使うよくある5つの手口』
ここでは悪徳業者がよく使う手口をご紹介する。我々がこのサイトを運営してから数年、面白いように下記と全く同じ相談を毎日のように頂く。以下の何れかに当てはまる場合は、注意が必要だ。
しかし、いくら注意しようとしても騙されてしまうのが現実である。
さらに注意が必要なのが、悪徳業者と言っても法律に違反しているわけではないということだ。また、あからさまに人相が悪かったり詐欺師らしい格好をしているわけではないのでたちが悪い。
むしろスーツなどを来て小綺麗な格好をしていかにも”信頼できそう”な風貌をしていることがほとんどなのだ。それでは悪徳業者のよくある5つの手口を見ていただこう。
3−1.契約を急がせる。
口約束で工事を決めようとしたり、「ただいまキャンペーン中で、本日契約してくだされば、モニター価格で大幅に割引します」など、契約を急がせる業者がいる。これはつまり、相場が知られる前に悪徳業者は契約をしてしまいたいのである。
急いで契約をしていいことは何一つない。出会った当日に契約書にサインをしてしまってはいないだろうか。そこで、典型的な例を下記に記載したので見てほしい。
業 者「奥様、大変です。ここのヒビ割れを見て下さい。このままだと1ヶ月もしないうちに雨漏りが発生します!」
あなた「そうなんですか!?でも今はお金もなくて、とても修理出来る余裕が…」
業 者「ご安心下さい。今月は特別キャンペーンを行っておりまして、今契約して頂ければ、通常の半額で施工が可能なんです!」
これはほんの一例だが、面白いようによく使われる手法なので、頭に入れておいて頂きたい。外壁塗装は一生に数える程しかやらない一大イベント。それをたった1日で決めてしまってはいないだろうか。
3−2.不安を煽る
悪徳業者は下記のように、やたら不安を煽る事を言ってくる。
業者「このままだと大変な事になる」
業者「今すぐ工事しないと取り返しのつかない事になる」
本当の場合もあるが、塗装工事というものは基本的に緊急性は伴わない。明日塗装しなければ家が倒壊するという場合話は別だが、そんなことほぼ無い。
悪徳業者は言葉巧みに不安を煽り、「今スグやらなくては」という気持ちにさせてしまうのである。
3−3.長過ぎる耐久年数を提示してくる
塗料はどんなに長い耐久性のあるものでも20年。それを30年や、40年もつなどと平気で嘘をつくのである。塗料はかなりもって20年程度、外壁や屋根の塗装は10年も過ぎれば検討しなくてはいけないのだ。下記のように言ってくる業者は怪しいと思って間違いない。
業者「この塗料なら30年は持ちますよ!」
塗料の耐久年数については「外壁塗装塗料の種類と耐用年数ってどのくらい?」で詳しく説明しているので、後ほどチェックして欲しい。
3−4.あり得ない値引きをしてくる
これが最も多い手法である。相場がわからない我々に対し、初めは高めの見積もりを提示してくる。
例えば、最初の見積もり額が300万円だった場合だが
業者:「ホームページ掲載やモデル工事をさせていただいたら特別価格で半額にします!」
業者「足場代をサービスするので150万円や100万円にしますよ!」
などになり、ユーザーはお得だと勘違いしてしまうのだ。塗装工事にも塗料の原価や職人の人件費があり、そんな大幅な値下げなど絶対に出来ない。当初の見積もりが300万円の工事を150万円や100万円に値下げするような工事は、適正価格は80万円程度のはずだからだ。
3−5.オリジナル塗料を売ってくる
これも悪徳業者には比較的多い手法の一つ。
そこで、冷静に考えて欲しい。日本には何年にもわたって塗料を研究し、世界にも誇れる塗料の技術をもつ塗料会社がある。大手塗料メーカーは何十年も塗料の開発に莫大なコストと研究を重ねているのだ、そんな大企業に勝てる塗料を町の工務店が開発出来るはずがないのだ。
だからこそ、もちろんほとんどの工務店、塗装屋はこの塗料を購入して使っている。しかし、中には自社で開発した塗料なので、「一般に出回っている物よりも優れている」などと言って特別感を出している。そんなわけがないのだ。
ポイント4.『悪徳業者が行う手抜き工事の実態』
もう少し具体的に、手法ではなく今度は手口をご紹介させていただこう。これは正直素人目にはわからない。ただ、このような手抜きをされる可能性があるので注意していただきたい。契約した後でも油断は禁物だ。
4−1.ケレンなどの下地作業を行わない
まず、ケレンとは塗装をする前に、サビや元々塗られている塗料の除去を行うことをさすが、悪徳業者はそれを怠ろうとする。屋根や壁、鉄部などの清掃は外壁塗り替えの前にはかならず必要な工程であり、この処理に手抜きがあると後の剥がれの原因になることがある。
ひび割れや凹凸の補修に手を抜いてしまうと、非常に早い劣化の原因になる。大きいヒビ割れなどではない場合には、下地は塗料で隠れてしまい、素人で は、見分けることが難しいのだ。
以上が悪徳業者が行う代表的な手抜き工事の内容だが、そんな手抜き工事の手口にひっから無いためにも「安くてもサービスの内容が充実している」「塗装工程 を詳しく説明し、報告してくれる」そんな業者を慎重に選ぶことが非常に大切となってくる。
4−2.見積書通りの塗装回数を行わない
外壁塗装は通常3回塗りをする。当然、見積書にも何回塗るかが記されているはずだ。しかし、2回塗ったか、3回塗ったかなんて到底素人にはわからない。悪知恵を働かせる業者は見積もった回数を塗らないのである。
4−3.水で塗料を薄める
さらに悪質な場合、水で塗料を薄める。どんなメーカー塗料にも【標準仕様方法】という「メーカーによる施工の基準」がある。塗料はその基準を守って こそ塗装本来の機能が発揮されるのだ。薄めることで少ない塗料で早く広い面積を塗ることができるので、人件費、塗料の経費削減になる、非常に悪質だ。
4−4.乾燥する前に重ね塗りをする
こちらも非常に悪質だ。乾燥が不十分のまま2回目、3回目を塗装することで、塗料が定着しないため、早期の剥がれの原因となってしまうのだ。塗装屋、戦場の乾燥時間を短縮することで、職人の工賃を削減することが出来るためだ。
結論から言うとメンテナンスが『かからない』家造りができるかがポイント!
断熱に適した発泡ウレタンと従来のグラスウールの問題点とは?
投稿日:2019年10月23日
発泡ウレタンの注意点は火に弱いこと
発泡ウレタンとはウレタン樹脂に発泡剤を吹きつけたもので、 外壁に使用される場合はよく断熱材として使用されています。
また発泡ウレタンには2種類ありますが断熱材として使用されるのは 硬質ウレタンフォームであり、これを発泡ウレタンと呼んでいます。
しかしウレタン樹脂に吹き掛ける発泡剤がフロンガスだったために フロンガス使用禁止の環境問題もあり利用件数は激減していきました。
近年になって嬉しいことにあたらしい発泡ウレタンが開発されました。
フロンガスを使用しない新しい発泡ウレタンは液性発泡ウレタンフォームと呼ばれ、 再び注目を浴びている断熱材なのです。
圧縮強度が高い断熱材で、冷房・暖房のエネルギー効率や遮音性、機密性を高めてくれます。
グラスウールと比較すると断熱性は約2倍高いですが、価格も約3倍高いのが難点です。
そして発泡ウレタンはよく燃える性質があります。
よく燃えると言っても、木の発火点が約250~260℃なのに対し、発泡ウレタンは約400℃です。
発火点とは、火源がなくても発火する最低温度のことを言います。
だからと言って火災が起きてしまったときに真っ先に燃えるなんてことはあり得ませんのでご安心ください。
発泡ウレタンを使用していることで火事が起きたら危ないのでは?
と間違った知識を持っている方も多いですが、よく考えてみるとそんなことはあり得ないということに気付きませんか?
火が点けば服でもベッドでもソファーでもカーテンでも燃えてしまいますよね。
火災が起こったところで、外壁の中に入っている発泡ウレタンフォームにたどり着くまでにありとあらゆるものが燃えていきますが、発泡ウレタン自体に発火作用はございません。
火災が起きると猛毒が発生する恐れはあるので、起きってしまったら注意が必要です。
グラスウールと比較すると発泡ウレタンは確かに燃えやすいですが、外壁が燃えるまでに逃げることの方が大事です。
グラスウールの注意点は水に弱いこと
グラスウール剤は充填断熱に利用されます。
グラスウールが熱を発して断熱するのではなく、グラスウールの繊維を利用することによって空気の層を閉じ込め、熱が伝わらないようにする、という仕組みの断熱材です。
グラスウールは発泡ウレタンよりも価格が安く、燃えにくいという点では発泡ウレタンよりも上です。
また業者も利用件数が安定して多いグラスウールの施工には慣れているので失敗する事は少ないでしょう。
また、耐久年数が無いというのは最大の魅力ではないでしょうか?
しかしグラスウールは水に弱い性質をもっています。
空気を蓄えやすいということは、空気中の水分を蓄えやすいという性質を持っていると言えます。
水分を蓄えやすい性質を持っているからこそ、水に弱いと言えます。
発泡ウレタンが燃えやすいのと同様、グラスウールは濡れたら性能が極端に落ちてしまい、 全く効果を得られない事にもなりかねます。
グラスウールの最大の欠点は、内部結露にあると考えるのが一般的です。
もし施工の際に問題があった場合や災害など何らかの理由によってグラスウールに問題が起きると、内部結露を起こしてしまいます。
内部結露が起これば水分に触れてしまう訳ですから、断熱効果を発揮できません。
発泡ウレタンと比較すると、グラスウールはどうしても隙間・たるみが生じてしまい、断熱性能が劣ります。
グラスウールを利用すると決めたら正しい施工をお願い出来る安心の業者を探し出しましょう。
外壁塗装の悪徳業者を見分けるチェックポイント
投稿日:2019年10月22日
一般に外壁塗装工事ほど手抜きをしやすい工事はないと言われている。それほど塗装業界に悪徳業者が多い。実は何十万とある塗装業者の中から、本当に良い業者を選ぶのは非常に難しい。
塗装検討者は結局、他の業者と比較すること無く、たまたま初めて出会った業者で決めてしまう事がほとんどで、後からよく調べてみると「相場とはかけ離れた金額で施工させられていた!」ということはよく聞く話だ。
しかし、こうして我々が誠意をもって皆様にお伝えしてもまだまだ悪徳業者に引っかかってしまうお客様が残念ながら数多くいる。そこで、このページではそんな悪徳業者にだまされないために、悪徳業者の特徴や手口、その注意点や対処法の4つのポイントがある。
①悪徳業者が多い理由
②訪問販売の殆どは相場からかけ離れている
③悪徳業者が使うよくある5つの手口
④悪徳業者が行う手抜き工事の実態
これからご紹介する内容を把握し、それに気づくことが出来れば、悪徳業者に騙される事はなくなるだろう。本日は外壁塗装のコンサルティングの筆者が悪徳業者に騙されないための4つのポイントを説明する。
ポイント1.『悪徳業者が多い理由』
悪徳業者は簡単に言うと相場より高い金額で商品を売ったり、コスト削減の為、施工を中途半端にやったりなど、悪知恵を働かせ利益増やそうとする業者のことを指すが、それではなぜこの業界には悪徳業者が多く、騙されやすい人が多いのだろうか。その理由は大きく2つある。
- 定価がなく、相場が一般的に知られていない
- 誰が塗装しても、塗装後は綺麗に見えてしまう
お分かりいただけるだろうか。まず、価格相場がわからないものにそれが高いのか安いのかという判断ができない。さらに、壁をペンキで塗ってそれがうまいのか下手なのか素人目には到底判断がつかない。要は高く契約して手抜き工事をしてもわからないのだ。この業界は非常に「騙しやすい」環境にある。 それではその理由を一つずつ詳しく説明していこう。
定価がなく、相場が一般的に知られていない為、高い値段を言われてもわからない
塗装工事は先程もお伝えしたように、定価がない。本来は100万円ほどで出来る工事でもそれが200万で売れることもある。定価がない理由は明確で、「一般的に、相場を知らないから」である。
新車を例えにしてみよう。新車の場合、どこで買ってもほとんど同じ商品・値段で購入することができる。160万円前後で販売されている車が他で300万円で売られていれば誰でもその値段に疑問を抱くのではないだろうか。
ところが、外壁塗装はそうはいかない。何処で見積りをとっても定価はバラバラ。100㎡で100万円と言われてもそれが高いのか、安いのか、判断できるだろうか。
もうお気づきだとは思うが、外壁塗装は相場がない分、高い値段を言われてもそれが適正なのかがわからない。よって悪徳業者は高めの値段を言って、それが定価だと言い張るのである。
ただし、適正価格は存在する。まず自分の家の塗装工事の見積もりが適正かどうかは、下記記事に外壁塗装の相場の事例が数多く掲載しているので、自分の家に近い事例を探して相場を把握してほしい。
誰が塗装しても、塗装後は綺麗に見える
外壁や屋根の塗装には長く耐久性を保ち、かつ美しく仕上げるために1度の工事に通常3回の塗装作業が発生する。
下塗り(1回目の塗装)
中塗り(2回目の塗装)
上塗り(3回目の塗装)
下の写真をみていただきたい。2回塗りと3回塗りの差があなたにはわかるだろうか?外見からでは素人には判別不可能だ。
悪徳業者は通常3回は塗らなければならない所を1回や2回で終わらせてしまう。なぜなら、その方がコストを削減できる。時間もかからない。3回塗った事実など、素人では到底分かり得ないからだ。
外壁塗装は本来、塗料によって水を加える比率が決まっていたり、塗る回数も塗料メーカーで指定されている。指定された仕様を守らなければ本来の塗料の機能が発揮されないのはもちろん、耐久性にも影響が出てしまうのだ。
塗装直後に見分けが付けば良いのだが、これがわからない。この影響が数年経った後、初めて気づくのだ。ここで悪徳業者は悪知恵を働かせ、通常より水を多く加え塗料を薄めたり、塗る回数を減らしたりして、人件費や塗料のコストを抑え、全体的なコスト削減をしようとする。
以上、2つに分けて悪徳業者が多い理由を説明させていただいたが、塗装業界のことが少しは理解いただけただろうか。
そこであなたはそんな悪徳業者にダマされないために、次のことを考えるのではないだろうか。
- 「しっかり実績など調べた上で業者選びをすればよい」
しかし、悪徳業者は一見するとちゃんとした外見をしていて、話も上手だ。また実績で言っても、一般の方にはその実績が本当なのか?信頼できるのか?は判別がつかない。
一般の方でも複数の業者から話を聞く事で、「どの業者が本当の事を言っているのか?」判断の軸ができるようになる。また業者によって言っている事も違う。塗装の際は複数社から見積もりをとるように心がけてほしい。
住宅被害、5万6千棟超
投稿日:2019年10月20日
まずは災害で他界なさった方々のご冥福をお祈りし被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
令和になっても自然災害が減らないどころか、ここ年々、大きな災害が増えているような気がします・・・
甚大な被害をもたらした台風19号の影響で20日、総務省消防庁は、住宅被害が同日時点で5万6753棟に達したと発表。昨年の西日本豪雨の約5万1千棟を上回る規模となってしまったようです。
防災対策、減災対策にも限界を感じます。ここのところの被災の状況などや助かった人をみていて思うのは、しっかりと対策をした早めの避難が、今のところ考えられるもっとも有効的な手立てかなと思いました。
住環境をもっともっと考えて行く事が必要かと!
「長生きする家」「早死にする家」
投稿日:2019年10月12日
天井やフローリングの対策法
NHKが実施した「国民生活時間調査」によれば、60代男性が平日に家で過ごす時間は、平均で「約15時間」だという。定年後には自宅で過ごす時間はより増えていくが、住環境によって「病気リスク」が変わることはあまり知られていない。「長生きする家」「早死にする家」の特徴と、健康長寿のための“リフォーム術”を調査した。
【×=天井が高い、吹き抜けがある ○=「ファン」「サーキュレーター」で足元の冷気対策】
高い天井や吹き抜けは開放感があるが、冬場には室内の温度管理に注意が必要となる。『「病気にならない家」6つのルール』(KKベストセラーズ刊)の著者で、住環境アドバイザーの上郡清政氏が説明する。
「暖かい空気は上に向かい、冷たい空気は下に向かって足元に滞留します。そのため、吹き抜けのある家や天井の高い家では、“室内の高低温度差”が生まれやすい」
床付近は冷たく、天井に近づくほど暖かくなる──その健康リスクを示すデータがある。
国交省「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」によれば、床付近の温度が15℃未満の住宅で生活している人は、16℃以上で生活している人に比べ、高血圧での通院が1.51倍に、糖尿病での通院が1.64倍に増えたという。
また、床上1m以上の室温の低下よりも、床付近の温度が下がった時のほうが、血圧への影響が大きいという結果も示された。
「足元が冷えると、足の動きが鈍り、転倒による骨折や捻挫のリスクも高まります。天井に後付けのファンを取り付けることで、室内の空気を循環させることが重要です」(上郡氏)
天井用のファンは、ホームセンターなどで数千円から購入できる。ただし、取り付けは高所での作業になるため、業者に任せるか、床に置くサーキュレーターを利用する手もある。
【×=フローリングなどの「冷たい床」 〇=「床用断熱シート」「滑り止めマット」を置く】
床付近の温度が下がり、足元が冷えがちなのが、床暖房のない合板フローリングを使った床だ。
「冬場はフローリングの部屋や板張りの廊下に、アルミと発泡材などでできた『床用断熱シート』を敷き、その上にカーペットやマットなどを敷くといい。ただし、カーペットやマットはダニが発生しやすいので、暖かくなったら片付けましょう」(上郡氏)
カーペットやマットが別のリスクを招くこともある。住まいのアトリエ・井上一級建築士事務所主宰の井上恵子氏が語る。
「カーペットやマットがズレて足を滑らせ、転倒する可能性があります。厚労省の人口動態調査によれば、65歳以上の家庭で起きた不慮の事故は、餅などの誤嚥による窒息に次いで、家での転倒が多い。
カーペットの下に敷く『滑り止めマット』は数千円程度で購入できます。カーペットの裏の四隅を固定するための両面テープは数百円程度で手に入ります」
【×=給気口など換気システムがある ○=「フィルター」を取りつける】
昔ながらの木造家屋に比べ、近年のマンションや洋風建築は断熱性・気密性が高い。そのため2003年以降、新築の住宅には、常に家の中の空気を入れ替える「換気システム」(給気口など)の設置が義務づけられている。
だが、湿気対策になる一方で、別のリスクも呼び込むと前出・井上氏が指摘する。
「換気システムの給気口にフィルターがついていないと、そこから花粉や黄砂、PM2.5などの粉塵を室内に取り込んでしまいます。これら微粒子が体内に入ると、風邪に似た症状や喘息アレルギーを発症する可能性があります。
フィルターが標準装備されていない、装備されていても経年劣化しているケースは少なくありません。フィルターは500円程度で販売されているので、自宅の給気口に合う商品を利用しましょう」