6月18日(月)に発生した大阪北部地震。
気象庁の発表によれば、揺れの強かった地域では、1週間程度は、最大震度6弱規模の地震が発生する可能性があるとのこと。
引き続き注意を呼びかけています。改めて、大きな地震が起きた場合の対処法を確認しておきましょう。
6月18日(月)に発生した大阪北部地震。
気象庁の発表によれば、揺れの強かった地域では、1週間程度は、最大震度6弱規模の地震が発生する可能性があるとのこと。
引き続き注意を呼びかけています。改めて、大きな地震が起きた場合の対処法を確認しておきましょう。
災害大国である日本の中でも、東京の街は「高さ」に気をつけなければいけない場所だと言われています。
例えば東京で一番高い場所は、東京スカイツリーの展望台。
そして一番低い場所は六本木駅の都営大江戸線のホーム……この差は500m近くもあり、地震が起きたときにどの高さに居るかによってとっさの対処法が変化してくるのです。
今回は、「首都直下地震」が起きたときに特に危ないと言われている「海抜ゼロメートル地帯」……「LEVEL 1」で起こりうる災害について。
もし、海抜ゼロメートル地帯で震度7の地震が発生したら……。TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」で以前放送した、災害時の対処法を紹介します。
高さ1m、海面とほぼ変わらない高さの地区や、海面よりも低い地区「海抜ゼロメートル地帯」。
災害が起きたとき、危険だとされているこの地域では一体どんなことが起こってしまうのでしょうか? まずは、首都直下地震の被害想定からおさらいしておきましょう。
◆もし、首都直下地震が起きたら
■そもそも首都直下地震というのは、ひとつの地震のことではなく、関東地方で発生する可能性のある、震源や地震の規模が異なる複数の地震の総称
■主に被害想定が発表されているのが、首都機能への影響が最大の「都心南部直下でM7クラスの地震」が起きた場合
■政府の中央防災会議の想定では、発生する確率は今後30年間で70%
■東京都区部のほとんどが震度6強、一部では震度7
■犠牲者は2万3,000人、その7割が火災で命を落とす(阪神淡路大震災の死者行方不明者6,437人、8割が圧死)
■東京湾で津波が発生する可能性あり、東京都想定によると、最も高い場合ではおよそ3m程度
色々ある中でも心配されるのが、東日本大震災でも多くの方の命を奪った「津波」。
ただ、東京では津波よりも台風や低気圧による「高潮」のほうが、波自体の高さは高いと想定されています。
高潮被害は昔から起きているので、東京都では5mくらいまでを想定して堤防整備をおこなっています。
また東日本大震災を受けて、堤防をより高く、厚くする整備なども実施しているのです。
◆海抜ゼロメートル地帯の危険とは?
しかし、地震の揺れで堤防や防潮堤が決壊したり、津波が川を遡上するのを防ぐ水門が閉じないことも考えられます。
そのときに甚大な被害を受けるのが、海抜ゼロメートル地帯。
例えば東京で最も被害が大きいとされるのが荒川沿いの江戸川区や江東区、墨田区、葛飾区。中でも江戸川区は7割が海抜ゼロメートル。
これらの荒川沿いで浸水が想定されるエリア内にはおよそ150万人が生活しています。
もし、堤防や護岸が決壊した場合……洪水が発生して、場所によっては深さ2mも水没することに。
地下街や地下鉄にも当然、大量の水が流れ込んでいきます。
防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんによると、
例えば東西線の東陽町駅近くの地上車庫への出入り口や、南砂町駅の東にある出入り口など、地下鉄が地上に出る場所から水が入ってくる危険も。
津波が来なかったとしても、満潮のときに堤防が地震の揺れで崩れたりしたら、防水扉はあったとしても地下に簡単に水が入ってきてしまう可能性があるのです。
その水は、地下鉄を水路として、都内のあちこちに流れ込んでいくことも考えられます。
◆地震が起きたときのために考えておくこと
では海抜が低いエリアで生活する人達はどんなことを心がけておけばいいのか。
そのひとつが、浸水が想定される範囲から離れたところに避難する=「広域避難」です。
家族と近くの避難場所で落ち合う約束をしている方もいると思いますが、
そこが海抜ゼロメートル地帯で浸水するかもしれないという可能性を考え、避難場所を事前に複数、家族と決めておくといいでしょう。
浸水した地区には水が引くまで長く帰れない可能性も。海抜ゼロメートル地帯で生活している方は、それも含めて備えを見直したほうが良さそうです。
また、災害が起こったときの商業施設の対応も確認しておきましょう。
例えば、湾岸エリアの東雲にあるショッピングセンター「イオン東雲店」の災害時の対応はこちら。
イオンリテール株式会社 南関東カンパニー人事総務部 総務グループの、塙 智明さんに伺いました。
「東雲店では海に近く、海抜1メートルほど。埋め立て地も多く、液状化の懸念も。近隣の高層ビル等では大きな横揺れが続くことが予想されます。
特に近隣はオフィスや工場も多く、帰宅困難者も多く発生すると思われるので、東雲店では店舗で液状化の懸念もあり、屋上への避難を第一に考えている。
店内放送を実施して、揺れがおさまった段階で被害状況を確認し、そのあと避難誘導を行います。
イオン東雲店は2階建てで、屋上の駐車場は高さ約12メートル。
店舗にはオートスロープが設置されているので、お年寄りや高齢者の方も階段を利用せず屋上まで避難することができます。
また車いすも用意されていますし、従業員も定期的に避難誘導訓練を行っています」
そして東雲店では、帰宅困難者の一時避難場所にも屋上を活用することも想定していると塙さんはお話しされています。
「イオングループでは全国29ヵ所に、避難用大型テントのバルーンシェルターを配備しています。例えば、熊本地震の際も社会問題化した車中泊に対して、
店舗の駐車場などにバルーンシェルターを拡張させ、地域の皆様の一時的な避難場所を提供。
東雲店でも帰宅困難者が十分考えられるので、バルーンシェルターを避難場所の屋上に設置することが考えらます」
イオンといえば食料品から生活用品まで揃いますから、被災して物資がなくなってしまった際に、一刻も早い営業の再開が求められます。
首都圏で大規模地震が発生した際には、全国のイオンのネットワークを活用して、物資を集中的に首都圏に流れるように調整するそうです。
実際、熊本地震が発生した際には、多くの店舗で営業見合わせとなってしまったのですが、店舗の駐車場を使って店頭販売を行うなど早く営業を再開する取組を進めたそう。
防災の意識を高めるため、避難経路の確認などの際は近くのショッピングモールや商業施設をチェックし、どんな取り組みをしているのかを知っておくことも大事ですね。
災害は、家や職場に居るときに起こるとは限りません。
休日に遊びに行ったレジャー施設や、移動中の地下鉄の中で起こることも。あらゆる状況を想定して対処法を考えておくことは、決して無駄なことではないはずです。