『神・対応』
投稿日:2018年07月11日
【西日本豪雨】思い出の写真が水びたしになったら…
写真家が洗浄マニュアル公開中
西日本を襲った記録的な豪雨。自宅が被害に遭い、思い出の写真が水びたしになってしまった人もいるだろう。
濡れ、汚れてしまった写真はどう修復すべきか。写真家の高橋宗正さんがネット上で公開している、写真の洗浄マニュアルが参考になる。
BuzzFeed Newsは、高橋さんの許可を得てマニュアルを転載する。【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】
洗面器など水を入れられる大き目の容器。
なければ浴槽でも大丈夫です。水、ハケまたは筆(ない場合は、指でも泥はおとせます)、ハサミ、ふきん。
必要に応じて、マスクや手袋も用意しましょう。
普通の水道水が適しています。 できれば洗浄用とすすぎ用の2槽の水を用意できるとベストです。
台紙からはがせる写真ははがします。
だめならハサミで台紙ごと切り取ってください。
アルバムのビニールがついたままの写真は、ゆっくりビニールからはがせるか試してみてください。
(それでもはがれないときは、はがさずにビニールの表面の泥を落として、デジタルカメラでページを真上から撮影します)
分解したページを乾燥させます。
写真を慎重に水につけてみて、表面の画像がすぐにとけてしまったり、表面がはがれてしまったりするものは洗えません。
複数の写真がくっついているものも、水にしばらくつけてゆっくりとはがせるか試してみてください。
写真を1枚ずつ、30秒から1分間水につけてから、そのまま水の中で、ハケか指でやさしくゆっくりと写真の隅から泥を落としていきます。
一枚一枚とても慎重に洗ってください。
表面がぬるぬるする写真は画像がくずれやすいので、なるべく触らないようにして泥だけ落とすように特にやさしく扱ってください。
洗い終わったらすぐに水から出してふきんの上に並べてください。
洗っているうちに水が汚れたら、その都度新しい水と入れ替えてください。
洗濯バサミではさんで乾かせば、せまいスペースでも乾燥することができます。
また、網戸があれば寝かせた網戸に写真をならべて乾かしてもいいです。
高橋さんは東日本大震災の際、汚れてしまった写真をきれいに洗い、複写して持ち主に返すボランティアに取り組んだ。
活動を通じて、「多くのものを失ってしまったからこそ、写真だけでも取り戻したいと思う人が多くいることを知った」という。
泥だらけになった写真でも、うまく洗えば綺麗になる。
そのことを伝えたくて、2014年に刊行した書籍『津波、写真、それから ーLOST & FOUND PROJECT』に洗浄マニュアルを収録した。
より多くの人に役立ててもらおうと、昨年9月にはマニュアル部分をネットで無償公開。
今回の西日本豪雨を受け、7月9日にTwitterでも拡散した。
「写真を洗うやり方を公開しておけば、誰かがいつか使うようになるかもしれない。
今回の水害でも必要になるかもと思い、情報をネットに投稿しました」
この思いやりが人としてだと思います。見習います。