人間活動がはじめて季節を変えた? 日本と世界を襲う記録的な猛暑の背景
■ 「大西洋循環の弱体化が地表温度の上昇を招く」という研究も公開
また、海洋の循環流が地球温暖化に影響を及ぼしているとの指摘もある。
米ワシントン大学と中国海洋大学との共同研究プロジェクトは、7月18日、
学術雑誌「ネイチャー」において「大西洋循環の弱体化が地表温度の上昇を招く」との研究論文を公開した。
これによると、大西洋循環の減速化は、地球温暖化によるものではなく、
数十年規模の自然変動サイクルによるものだが、これによって、今後、気温が上昇する可能性があるという。
海流のスピードは海洋表層の熱が深層にどれだけ多く移動するかによって決まり、
早く循環するほど多くの熱を深層に送り込むことができる。
裏を返せば、海流が遅くなると海洋での熱の蓄積量が少なくなり、大気の温度が上昇しやすくなるというわけだ。
異常気象のメカニズムの解明や、地球温暖化・気候変動との関連性などを探る研究は、防災・減災だけでなく、
社会経済や産業の持続可能な運営という観点からも、注目すべきテーマのひとつだ。
私たちも、
まずは今シーズンの記録的な猛暑のもとで日々の健康管理に心がけながら、
これらの動向に関心を持ち続けることが賢明といえるだろう