どんな病気か?
かゆみの強い慢性の湿疹で、増悪や軽快を繰り返します。多くの場合、アトピー素因(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎などを生じやすい体質)をもつ人に生じます。主に小児期に発症し、成人では軽快することが多いのですが、成人になって再発したり、重症になることもあります。
原因は何か?
多くは環境中のダニや食べ物などの成分がアレルゲン(アレルギーの原因物質)となり、それらに対する免疫グロブリンE(IgE)抗体がつくられて、皮膚にアレルギー性の炎症を起こします。
小児では、卵、牛乳、小麦などの食物が原因として多くみられます。その他、イヌ、ネコなどのペットのフケや毛、体内や皮膚の表面にすんでいる真菌(カビ)などの成分もアレルゲンになります。
また、皮膚の最上層である角層内の天然保湿因子やの細胞間物質(セラミドなど)の異常などにより皮膚のバリア機能が損なわれ、冬の乾燥や夏の発汗、衣類などの刺激に対して皮膚が弱く、炎症を起こしやすい状態になります。炎症を起こした皮膚の表面には細菌が増殖しやすく、さらに悪化させる要因になります。
成人では、これらにより生じた皮膚の炎症が職場や家庭内の精神的ストレスで悪化することがあります。家族にアトピー素因のある人が多く、他のアトピー疾患の合併も多くみられます。