社会保障
投稿日:2018年10月28日
社会保障論
・こども保険について
1.こども保険とは
少子高齢化が進む日本で、子育てや教育にかかる負担を社会全体でどう分かち合い、国の財政を支えていくのかが問題視されている。その問題を解決するために出された案が「こども保険」である。幼児教育と保育を無償にする財源確保策として、小泉進次郎氏らが提案した。第一段階では、厚生年金などの保険料率を、勤労者と企業労使折半でそれぞれ0.1%ずつ計0.2%、自営業者等が加入する国民年金の場合は月160円引き上げ、これを原資として3,400億円ほどの財源を調達し、就学前の乳幼児(約600万人)を抱える家庭に給付する児童手当の上乗せ額を月5,000円、年間6万円引き上げる。または、保育所等の拡充を行い待機児童の削減や、年収360万円以下世帯の保育料の実質無償化を実現する。第二段階では、医療介護の給付改革を徹底的に進めつつ、さらに勤労者、企業の保険料率を各々0.5%ずつ計1.0%、自営業者等の国民年金の場合には月830円引き上げることで、1.7兆円ほどの財源を調達でき、児童手当の上乗せ額を25,000円、年間30万円にまで引き上げることが可能となる。現在、幼稚園や保育園の利用者負担額は、平均で1~3万円程度(保育園の場合、認可・認可外、居住地域、所得水準により異なる)なので、児童手当の上乗せ額を25,000円にできれば、幼児教育と保育サービスの実質無料化が達成できる。
2.子供のいない世帯からの徴収について
自分がお金を払っても、子供がいなければ何の得もない、還元がないという声が多く上がっている。たしかに、他人の家の子供に自分が働き稼いだお金が使われていると思えば、損をしている気分になるだろう。しかしよく考えてみると、自分が高齢者となり年金を受け取る側となった時、その年金のサイクルを回してくれているのは若者であることに気づく。1950年時点では12.0人の生産年齢人口で1.0人の高齢者を支えていたが、2010年時点では2.8人。さらに2060年の予想人口比率では1.3人にまで減少する。これを見ると、若者を増やさなければ日本の「年金制度」が成り立たなくなるのがわかる。なので、現時点では子供がいない世帯からも徴収するのは酷だなと感じるが、長い目で見ると還元されると思う。
3.こども保険の制度化を支持できるか
私自身、現在大学生ということもあり、給料から税金と社会保険が引かれると聞いてもパッとこないのが正直なところだ。決して高くはない初任給から様々な名がつく税が引かれ、その他に生活費もかかる。自分が生きていくのに精一杯と世間では声が上がっており、結婚や出産ができないと言っている若者が大勢いる。その経済面の問題が結婚や出産に踏み切れない一因なのにもかかわらず、こども保険と言われ、さらに負担が増えることは、たやすく首を縦に振れるものではないと思った。今回、調べてみると若者と高齢者の経済のサイクルをしない限り、日本の現状を打破することが難しいのは理解できた。しかし、若者が自分の人生を楽しめない現状は回復できるのかと疑問に感じた。
対象は年収1,000万円以上の人などと制限をつけない限り、現在10代20代の人の人生がこれから生まれてくる赤ちゃん、高齢者の人たちの為の人生になってしまうのではないかと懸念する。