一人ひとりの「ビジネス」の意味
私がやってきた事、やろうとしている事は、金儲けではありません。
ですが、紛れも無くビジネスです。ビジネスという単語が指している意味が広義に渡りすぎている為なんとも言い難いのですが、利潤を追求する事がビジネスだというのであれば、何か別の単語を作りたいと思っているくらいです。
私は経済学には明るくないのですが、私は「ビジネスとは誰かと誰かのコミュニケーションによって生まれる価値移動の集合体である」という考え方だと思います。ビジネスという単語で検索すると色々出てきますが、決して「感情を抜きにして利潤の追求に徹する事」が意味がビジネスの本質ではないと思っています。何故ならば、感情を抜いたり利益が出たりといったものは経済活動を行う上でのテクニックや結果のひとつであり、ビジネスそのものでは無いはずだからです。
世界にまだ無い価値を生み出すということ
感情を交えずに利益を追求するビジネスとはどういうものか?それは、リスクの伴う新しいものを作らず、安定を重んじ、今ある数字を左から右へ最大効率で動かし、利用者に支払額に応じた対価を提供するような事業です。それを提供するビジネスマンは、思考せず、でも行動力はあり、ルーチンワークを極め、経営陣の方針に従順な働き手であることが求められます。本気で問いたいです。そんな人生楽しいですか?
toBであれ、toCであれ、最終的にそのビジネスの価値を決定するのは自分以外の「人間」です。数字は結果であり単なるバロメーターです。感情抜きにしてと言いますが、感情を持たない人間が果たして居るでしょうか?投資家ですら、完全に数字だけで判断しているわけではないでしょう。
私が本当にやりたいビジネスの姿とは何なのか。大小あれど、世界にまだ無い価値をこの世に生み出す為の諸々の活動だと今の時点では認識しています。金銭の増減が生じるのはあくまでその結果であり、世界のどれだけの人間がその価値を認めたかの証なのだと思います。
何故「世界にまだ無い価値」を生み出す必要があるのか?これも先程のUXと成功ビジネスの方程式の話で頭の中の整理がつきました。ビジネスが人と人との関わり合いの中に存在する限り、解決すべき課題は常に「自分以外の誰かの抱えた欲求」であるはずです。それが空腹なのか、退屈なのか、不健康なのかの違いに過ぎないのです。であれば、新しくビジネスを始める為に必要なアイデアは、まだ解決しきれていない人類の欲求を如何にして解決するか?に集約されるのではないでしょうか。
ここで注意したいのは、未解決欲求の解決を目的に事業を立ち上げてしまうと、欲求を解決する手段ばかりに目が行ってしまってその解決プロセスに感情が挟まらない「機械的なビジネス」になってしまうという点です。何度も言いますが、私の導き出したビジネス解釈の結論は損得勘定ではなく、人と人との関わり合いによって生じる価値移動の集合です。企業にとっての客からもたらされる価値は、金銭だけでしょうか?そうではないはずです。
進化欲求
長々と書き連ねてしまいましたが、何故働くのか?の今時点の私の直接の解は「この世に無い価値を生み出す為」です。
では、価値を生み出す事によって何を成したいのか?色々考えて結局最後に行きついた結論は、根源的な欲求の話でした。全ての生物は本能的に進化する欲求を持っているのです。突然何を言いだすのかという流れのぶった切り方ですが、頭の中はそれで整理がつきました。人類は二足歩行を行い、自由になった手で道具を使い、火を使い、言葉を使い、爆発的な進化を遂げてきました。近年に入り、交通インフラ整備による移動時間の圧縮、デバイスによるパラダイムシフトが頻発し、人々の生活様式や水準を激変させてきました。例えば洗濯機一つとってしても、それまでタライで手洗いしていた時間を別の事に費やす事が出来るようになり、その余剰時間が更なる進化をもたらしているのだと考えます。であれば、これまで無い「価値」を生み出す事が出来れば、人類はその価値によって得た余剰時間を利用してまた進化をする事が出来るのではないでしょうか。世の中にイノベーションを起こしてきた偉大な起業家や発明家たちによって、我々平民は更に進化し続け存続する事が出来たのです。